ガードインターバル
2008/05/26
ガードインターバルとは
地上デジタル放送の大きな特徴として、マルチパスに強く単一周波数ネットワーク(SFN)の構築が可能ということがあげられます。
これに重要な役割を果たすのが、OFDN信号に付加されたガードインターバルです。ガードインターバルは信号長に余裕をもたせて送るもので、余裕の部分がマルチパス妨害に対して一種の防護財として働きます。この余裕の部分の時間を長くとることによってSFNが構築し易くなり、かつ混信を取り除く能力が向上しますが、その反面、映像やデータ放送のレート(情報レート)が減少することになります。

ガードインターバルの仕組み
地上テレビ放送では、送信所から直接到来する電波のほか、ビルなどで反射された電波が受信されます。この現象はマルチパスとよばれ、アナログ放送ではゴーストとして画面に現れますが、デジタル放送では”0”と”1”の判別の妨げになります。隣り合う送信所で共通の送信チャンネルを使用するSFNでも同じような現象が発生します。したがって、地上デジタル放送を受信するためには、時間的にすれて到達する”0”と”1”の信号を誤りなく受信する工夫が必要となります。
本章2にOFDMの周波数軸上の波形を示しましたが、この信号を時間軸上で示すと、下図のように雑音に似た波形になります。
OFDM信号は、有効シンボル期間(OFDM信号本来の1シンボルの期間)の後半の波形をコピーし、これをガードインターバルとして有効シンボル期間の前に付加して伝送します。

図のOFDM信号を見ると、ガードインターバルと有効シンボル期間の接続点が不連続のように見えますが、キャリアを1本ずつに分解してみるとガードインターバルの初めから有効シンボル期間の終わりまで、正弦波として連続しています。したがって、これらの期間の中の任意の場所から有効シンボル長と同じ長さの信号を切り出せばよいことになります。
下図にはマルチパスがある場合、受信機に入力される信号のイメージを示します。希望波Aと、マルチパスB、Cの電波が受信機に入力されますが、その遅れがガードインターバル内である為、図の黒線のように信号を切り出せば”0”、”1”の信号を誤りなく復号することができます。

次の図はマルチパスの遅延時間がガードインターバル長より長い場合の例です。受信機で切り出された信号に、1つ前のシンボルの信号が混入してしまいこれが”0”、”1”の信号の判定の妨げになります。

ガードインターバルの長さ
本章7に示すように、地上デジタル放送にはキャリア数や有効シンボル長の異なるモード1、モード2、モード3という3つのモードがありそれぞれの有効シンボル長は252μs、1008μsです。ガードインターバルには、有効シンボル長の”1/4”、”1/8”、”1/16”、”1/32”のいずれかの長さを割り当てることが出来ます。最も長いものはモード3の”1/4”で、252μsです。モード3の”1/8”とモード2の”1/4”では126μsになります。
日本では隣り合う局が同一周波数で送信するSFNが使われますので、ビルなどによる反射波だけでなく、別の送信所からの電波も考慮する必要があります。このため、ガードインターバル長としては、126μsまたは252μsが用いられる予定です。
出所:知っておきたい地上デジタル放送(NHK出版)





























