地上テレビ放送の電波の伝わり方
2008/05/27
電波の周波数と波長
電波は、図に示すように電界と磁界の交互作用で伝搬することから電磁波ともいい、名称が示すとおり「波」の性質をもち
振動しながら伝わっていきます。1秒間の振動数を周波数fといい、単位はヘルツ(Hz)を用います。
送信アンテナから放射された電波は、1秒間に30万kmの速さ、地球を7回り半するほどの早さで伝搬します。

図にしめすように、振動の1つの波の長さを波長λといい、電波の速さをc(m/s)とすると、波長λ(m)と周波数f(Hz)の関係は次式で示されます。
電波の波長は周波数が低い電波ほど長く、周波数が高いほど短くなります。

電波の名称分類
無線通信にしようする周波数帯は、超長波から激超短波まで、周波数範囲ごとに表に示すように分類されています。
このうち、テレビ放送にしようしている周波数帯域は、VHF帯、UHF帯およびSHF帯の一部です。地上デジタル放送はUNF帯の電波で、地上デジタル音声放送はVHF帯の電波で送信されます。

電波の偏波面
電界の方向と電波の進行方向とで作る平面を偏波面といい、図に示すように、電界が大地に対して、水平である電波を水平偏波、垂直である電波を垂直偏波といいます。
地上テレビ放送の電波は、主として水平偏波を使用していますが、地域によっては混信妨害を回避するため垂直偏波も使用しています。
水平偏波や垂直偏波のことを直線偏波と言います。テレビ電波を受信するには、送信の偏波面にあわせて、受信アンテナを設置します。
このほか、BSデジタル放送とBSアナログ放送では、電界の偏波面が時間とともに回転する円波面をしようしています。

電波の強さ
電波の強さは、送信アンテナに加える電力P(W)と送信アンテナの利得Gが大きいほど強く、送信点と受信点の距離d(m)が遠くなるにしたがって弱くなります。この関係は次式で示され、一般にEo(v/m)を自由空間電界強度といいます。

平面大地上での電波の強さ
テレビ電波の実際の伝わり方としては、図にしめすように、送信点から受信点に直接伝わる電波のほかに、大地があるために大地面に反射した電波も同時に伝わります。受信点では、これらが合成されたテレビ電波が受信されます。

直接波と大地反射波それぞれの強さはほとんど同じですが、電波の通路長に差があるため、その長さに応じた位相差が生じ、両者の合成された受信電界はその位置によって強くなったり弱くなったりします。
大地があるときの受信電界強度E(V/m)は、次式で表されます。

上式から、送信点・受信点間距離を変化させたときの受信電界強度は、図に示すような特性となります。受信電界強度は、送信点に近い距離ではEoの2倍を最大値として周期的に振動し、送信点から遠ざかるにしたがって周期が長くなり、ある距離からは一定の割合で減衰する特性を示します。

ハイトパターン
受信アンテナ高を変えたときの受診電界強度は図に示すように、高さによって受診電界強度が変化します。これをハイトパターンといい、山から山、谷から谷の間隔をハイトパターンピッチと言います。
このピッチは、周波数が低いほど、送信点からの距離が遠いほど長くなります。UHF電波は、VHF電波より周波数が高く波長が短いため、ハイトパターンピッチは短くなります。

出所:知っておきたい地上デジタル放送(NHK出版)





























